4月を迎え学校では入学式、企業では新入社員の入社などの時期ですね。元気な子供たちや若い社会人を見るとこちらも元気をもらえます。
今回は、タイトルの通り「定額減税」についてです。
定額減税は令和6年6月から始まります。
以前の定額給付のときは政府が各世帯に給付手続きをしてくれましたが、今回は給与計算時に減税手続きを行うなど、自分たちで対応する必要があります。
6月に慌てなくていいように今からできることを準備しておきたいですね。
定額減税の概要
定額減税は、所得税が3万円、住民税が1万円、合計4万円を税額控除する制度です。
所得税の定額減税の計算は、以下の合計額となります。
①本人(居住者のみ)・・・3万円
②同一生計配偶者及び扶養親族(居住者のみ)・・・1人につき3万円。
住民税の定額減税は、各市区町村が計算を行います。6月以降の1年間の住民税納付通知書を参考に減税された後の住民税納付を行います。
定額減税の対象となる人を分類すると、①給与所得者、②公的年金の受給者、③事業所得・不動産所得の事業主になります。
①給与所得者の場合
- 令和6年6月1日時点で在職している人(6月2日に入社した人は対象外です)
- 扶養控除申告書の甲欄適用の人(2か所給与の人は主となる方)
- 令和6年6月1日以降に支給する給与の源泉徴収税額から税額控除。控除しきれない場合には、翌月以降の税額から控除
②公的年金受給者
- 公的年金の6月以降の源泉徴収税額から控除
- 6月に控除しきれない場合には、次回の年金支給時の税額から順次控除
- 給与と年金の両方がある場合は、重複して控除されるため最終的には確定申告で清算
③事業主
- 原則として確定申告で減税
- 予定納税がある人は、予定納税の通知の機会に減税
今回は、給与所得者の定額減税についてまとめています。
定額減税が始まる前の事前準備
給与計算を専用ソフトで行っている会社も、手書きで行っている会社も、定額減税が始まる前に事前準備をしておくとスムーズに対応できます。
ちなみに、当事務所で利用している「マネーフォワード給与」は5月頃の対応予定。「弥生給与」は日程は不明ですが順次対応となっています。
控除対象者の確認
定額減税の対象となる人は、以下の通りです。まずは対象となる人を確認しましょう。
- 令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下の人
- 令和6年6月1日に在籍している人(これ以降に入社した人は、毎月の給与計算時には定額減税の計算対象外。年末調整等で対応)
- 源泉徴収税額の甲欄の対象者(扶養控除申告書を提出している人です)
- 居住者の人(非居住者は対象外です)
扶養控除申告書の確認
定額減税の計算は、「扶養控除申告書」により定額減税の対象人数の確認を行い、その提出日の現況における同一生計配偶者の有無及び扶養親族の人数を把握します。
ポイントをまとめると
- 令和6年分の扶養控除申告書の提出内容を確認(令和6年の最初の給与の支給を受ける前日までの提出が必要)
- 配偶者は同一生計配偶者(給与収入のみの方は年間103万円以下の人)が対象
- 定額減税の対象となる扶養親族は、16歳未満の扶養親族も含まれる
配偶者の状況や16歳未満の扶養親族の記載モレがないか見直しましょう。
また、扶養控除申告書に記載していない同一生計配偶者や16歳未満の扶養親族については、「源泉徴収に係る定額減税のための申告書」を会社に提出することで、定額減税の計算のための人数に含めることができます。
従業員ごとの控除実績簿の作成
控除対象者の確認と定額減税の対象人数を把握したら、管理簿を作成しておくことをおススメします。
国税庁からは、「各人別控除実績簿」という管理用ひな型を提供しています。こちらを参考に、各会社でカスタマイズしても良いかと思います。
https://www.nta.go.jp/users/gensen/teigakugenzei/index.htm
また、給与計算ソフトを利用されている方は、その給与ソフトメーカーが対応している場合もあります。
まとめ
定額減税の概要について説明しました。
事務負担の増加は避けられませんが、制度を理解すると対応は可能そうですね。
制度が始まったときにバタバタしなくていいように、今のうちから準備をしておくと良いかと思います。