TAX COLUMN 税コラム

インボイスの登録と取消し

消費税

2023.09.07

いよいよ令和5年10月1日からインボイス制度が始まります。

すでに登録を終え社内業務の構築を進められている会社もあれば、まだ登録をするか迷われている方もいらっしゃると思います。

今回は、「インボイスの登録と取消し」というテーマで書いています。

制度開始の10月1日以降に登録する場合の手続き。

そして、登録はしたけれどやはりインボイスをやめたいという場合の手続きについて説明しています。

インボイスの登録

インボイスに登録するかどうかの判断

インボイス発行事業者への登録をするか悩まれている方は、自社の取引がBtoB(事業者間取引)なのか、BtoC(消費者間取引)なのかという視点も有用です。

例えば、下請けが中心の建設業(いわゆる一人親方など)の方はBtoB取引がメインとなるでしょうから、インボイス発行事業者になることを検討する必要があります。

一方、BtoC取引の例では美容院や学習塾などがありますが、一般の消費者をお客様としていることからインボイス発行事業者への登録は必要でないケースが多いかと思います。

いつまでにインボイスの登録をするのか

インボイス制度が令和5年10月1日から開始されることはご周知の通りです。

免税事業者がインボイス発行事業者になる場合は、原則として課税事業者になる必要があります。そのため、手続きとしては「消費税課税事業者選択届出書」を提出してインボイス発行事業者の登録を行います。

ただし、令和5年10月1日から令和11年9月30日の属する課税期間までは経過措置があり、登録申請書の提出だけで手続きは完了となります。

ここでは、免税事業者がインボイス発行事業者となる場合を例に3つのパターンで申請期限を確認していきます。

<令和5年10月1日からインボイス登録を受ける場合>
提出期限:令和5年9月30日
提出するもの:適格請求書発行事業者の登録申請書

<令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間に登録を受ける場合>
提出期限:原則、登録希望日の15日前まで
提出するもの:適格請求書発行事業者の登録申請書

<上記以後に登録を受ける場合>
提出期限:原則、登録希望日の15日前まで
提出するもの:適格請求書発行事業者の登録申請書+消費税課税事業者選択届出書
※消費税課税事業者選択届出書は課税期間の初日の前日まで

インボイスの登録をやめる場合

インボイスの登録をやめる場合は、制度開始前の令和5年9月30日までと、それ以降では手続きが違います。
以下、それぞれについてみていきます。

インボイスの取下げ

インボイス開始前の令和5年9月30日までであれば、税務署に「取下書」を提出すれば、取下げが可能です。

免税事業者の方が、インボイスの取下書を提出した場合は、当然ですが10月1日以降も免税事業者のままになります。

・令和5年9月30日までに提出
・郵送の場合は、令和5年9月29日必着分まで
・取下書に決まった書式はなし(ワードなどで必要事項を書いて提出します)

インボイスの取り消し①

令和5年10月1日以後は取下げは不可となり、インボイスをやめたい場合は、「取消し」の手続きが必要です。

<令和5年10月1日を含む課税期間中に登録を取り消す場合>

インボイス開始後の令和5年10月1日を含む課税期間中に登録を取り消す場合は、取り消しをしたい翌課税期間の初日から起算して15日前までに届出書を提出する必要があります。

この場合、次に記載する納税義務の2年縛りの適用もありません。

インボイスの取り消し②

<令和5年10月1日を含む課税期間の翌課税期間以後に登録を取り消す場合>

この場合は、翌課税期間の初日から起算して15日前までに届出書を提出する必要があります。

上記のケースと異なる点は、インボイスの登録日から2年を経過する日の属する課税期間の末日までは、納税義務が免除されないということです(基準期間(2年前)の課税売上高が1,000万円以下であっても)。

登録と取り消しのタイミングによっては、消費税の納税義務期間が長くなりますので注意が必要です。

※消費税課税事業者選択届出書を提出している場合は、あわせて選択不適用届出書の提出も検討します。

まとめ

インボイスの登録と取り消しについて、時系列にわけて説明しました。

現在免税事業者の方は、まだまだインボイスの登録をどうするか迷われていらっしゃるかと思います。

特に、いったんインボイスの登録はしたけれど、やっぱりやめようかと思われている方は、その取り消しの時期に応じて手続き方法や納税義務の期間が変わってきます。

一つの区切りは令和5年9月30日ですが、それ以後もインボイス登録・取り消しを検討する機会はあるかと思います。

ご参考になれば幸いです。

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